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恋川春町

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恋川春町 画

この画は
字と絵が一体となり画で情報を、そして字で視覚表現を
まるで現代の、ビデオで静止画を撮り、デジカメで動画を撮るような境目の無さ
絵だけ、字だけにこだわらず、
伝えることに重点をおいた、浮世絵とは少し異なるジャンル、黄表紙本


黄表紙本というのをご存知でしょうか

これは江戸時代の後期に流行った流行画

歌麿や北斎などは有名ですが、
もっとこう庶民に浸透していた今で言う漫画です
それも分野としては週刊誌や新聞に載ってるような感じの漫画ですかね
コボちゃん的な位置付け

この恋川さんは、
「黄表紙」という分野の第一人者で、
ジャンルを開拓し、一躍売れっ子になった人です

時代のものをみるときに、整斉とつくられた本よりも、
その時代時代を風刺した、庶民にねざしたもの、
誤解を恐れずいうと、下世話なもののほうがその時代を感じられることがあります

恋川さんが下世話といっているわけではないのです
時代を超えて良いものは求められ、未来に残ってゆき、
今現在ある絵画も彫刻もそのときどきの流行も反映されているところがあるのですが、
このジャンル(黄表紙本)は特に、そこが顕著にあらわれている

そして、恋川さんの面白みは、
画と文字が一体化し、その文字を含めて「画」であるというところです

わたしがこの時代で一番好きな作家は耳鳥斎(じちょうさい)です
上方・大阪の芸術そのものが美術史から外されてしまい、
そのために昔は北斎と並び称されるほどの人気があったらしいといわれているのですが、
知名度的には語り継がれず、北斎とは現代の認知度にかなりの差がでました

北斎も素晴らしいのですが、わたしは耳鳥斎の「ものの見方」
これに赤べこのようにうなづくのです

「美の巨人たち」で放映した部分 → 『耳鳥斎 別世界巻

関連記事
耳鳥斎(じちょうさい)の地獄
耳鳥斎の地獄絵巻

市井に生きて時事を表現した人に惹かれます



さて、恋川春町ですが、
江戸時代中期の劇作家で、浮世絵なども学んでおります

代表作
『金々先生栄花夢』
『高慢斎行脚日記』
『鸚鵡返文武二道』
など…

この春町さんはひとつを極めて我が道を行く…というタイプではなかったようです
作品をみるといろんな物や人とセッションしています
受け入れ間口が広く、柔軟性がある
そして「時代」というものをなんともよく捉えている作品を残されています

巨匠としてあがめられてはいないかもしれませんが、
みていて本当に興味が尽きず、面白い

江戸時代も長いですからね
前期中期後期ではそれぞれ世相が異なるのは当然で、
それは歴史として学びますね

ですが、歴史の本や、学校ではおしえてくれないこと
それがこの方の画から感じ取れるかもしれません


あとですね、
余談のようで重要な部分
このペンネームが好きなのです

恋川春町(こいかわ はるまち)

いかしてる
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