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亦同様

以前、有島について考えていたことをまとめ、
わたしの中の有島にひとつ決着がつきました


彼の遺書
その中でわたしをとても揺さぶった言葉があります

自ら命を絶った文学者はだいたい遺書を残しており
川端先生のように遺書を残してない方は珍しくもあります
(川端先生はまた改めてじっくり)


文字や言葉
それにより内なるものを表現してきた、特に「物書き」の方々
自分の最期の言葉をどのように残すのか

本音でもあり、また、
装飾している部分もあるのかもしれません


その中で
私小説しか書けないことを悩んでいた有島の
最期の言葉

フィクションであっていい世界で、
虚を書くことができずにいた有島の今際の際

遺書全文です
「…僕はこの挙を少しも悔ゐず唯十全の満足の中にある。
 秋子も亦同様。…
 山荘の夜は一時を過ぎた。
 雨がひどく降ってゐる。
 私達は長い路を歩いたので濡れそぼちながら
 最後のいとなみをしてゐる。
 森厳だとか悲壮だとかいへばいへる光景だが、
 実際私たちは戯れつゝある二人の小児に等しい。
 愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかった。
 恐らく私達の死骸は腐乱して発見されるだらう。」


わたしの一番響くところはここ

「秋子も亦(また)同様」


前回、有島の生い立ちについてはサラッとだけ触れました
なぜ有島がここまで「解放」にこだわるか
それは彼の育った環境が深く関わってきます


有島武郎は三人兄弟の長男で、有島三兄弟はそれぞれ芸術等各分野で活躍しておりました
家柄もよく、財産もあり、留学などもしており、大変裕福で由緒正しい出仕です
どれくらいかというと、皇族のご友人にえらばれる程です
身分差があまり感じられない現代のような時代ではなく、
天皇の位置も、身分というものも重要視される明治時代でです

上流階級の恩恵は
それはもちろん、三兄弟ともその恩恵は受けてきている

しかし、武郎は長兄で、家督を継ぐという立場により
かなり厳しく躾られ、由緒正しい家柄ゆえにガンジ搦めだった

これを解放できたのが、秋子だった…と思うのです


本当はもっときっちり生い立ちを書き連ねたい気持ちが湧いてしまいます
誤解なきよう…と懸念すると説明が多くなる
判断材料なら多いほうがいい
でも、想いを書くときは、書けば書くほど薄まる気がしてしまう
ここに自身の文章カの限界をみます

ですので、生い立ちの詳細についてはこれ以上書きません
いつかまた機会があれば

有島武郎については「解放」が重要なキーワードであるということ
そして、遺書です

子供時代も奔放であったり、我侭を言えたり、
無邪気でいることのできなかった有島武郎が、

今、ふたりは戯れる小児のようだ、

と記す

曇りひとつない十全の満足の中にいる

そして、その想いを

秋子も亦、同様だ

と言ってのける


自分がとても好きな人
生きててほしいと願う気持ち
自分の気持ちに自信はもてても
これから死にゆく相手が全く以て同じ気持ちであると言いきれるか
どちらか一人 ではないのだ

例えば究極の選択で
あなたか相手かどちらかだけ生かしてあげる、と言われたら
そんな時も、迷うことはひとつもない
どちらかひとりなら意味がない、ということを
お互いが当然の如く思っている状態

そういう状態だと言い切っているです


好きな相手を生かして自分が死にたいのもエゴ
反対に自分だけ生きたいのもエゴ

何を選択しても、わたしも十全の満足を得たい
それなら相手も、何の疑いもなくそうである

この想いが
遺書の中の
「亦同様」のわずか三文字に


命がどうこうなんざ、話したくありません
1対1のあなたとわたしのサシの想いに倫理観が響くものかよ
しかも他人の倫理が
わたしは響かない


亦同様

そう言える相手に出逢った二人を、
いまは静観なる木漏れ日だけがみています

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