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デンデラ 【映画】

デンデラ老婆でてくるばってん
デンデラれんけんでてこんけん

いさましい
たくましい

年を取ることは罪か
罪ではない
としよりはクズか
クズではない
デンデラでは考えが違うからって村のように殴ったり排除しやしないぞ
いくじなしと呼ぶだけだ

里にいたころはもう働けない老人として、
山にはいるのが慣例とされ山に送られてきた老女たちの逆襲
デンデラりゅーば


当初、
日本に伝わる楢山伝説の飢餓や哀しみを描いた物語かと…
いやー全然違った
もっともっとエネルギッシュな話だった

楢山伝説は姨捨の地名から信州地方を最初に思い浮かべるが、
似たような伝説は各地に存在している
年を取り、働けない者を口減らししてきたという事実は、
史料として残っている
集団に属するとその集団の意志というものに支配されてゆく面がある

姥捨てだけの話ではなく、
以前に岩手県遠野に行ったおり、郷土資料館を訪問し思ったことがある
そこに連なる史料の数々を読んでいると、集団を支配する思想が形成された背後には
村の慣習を後押しする存在があることを大きく感じる
それは神だ

東北地方で信仰されていた、「おしら様」
神として崇め祀り、その教えを信じ守って生きてゆく
2つ足のものを食べてはならない、4つ足のものを食べてはならない
この史料を読んでいるうちに、亨保、天明、天保と起こった飢饉で
特に東北の状況が劣悪だったことは土地の気候、環境のほかに
この信仰が深く関わっていると思った

北海道が深刻な状況としてあがってこないのは、
その頃は北海道に入植がされていなかったからだ
本来、寒さや作物が育つ条件としては、もっと厳しい環境である土地であったと思う
が、もうひとつ、
宗教にあると思うのだ
入植はしていなかったが人が住んでいなかったわけではない
原住民としてのアイヌは同じように暮らしていたわけで
しかしアイヌの思想というのは、自然とともに、自然の神と共に生きる
神としてあがめながらも神を自分に取り込むこと(つまり食すこと)に禁忌がない
反して、おしら様では2つ足、4つ足を食すことを禁じられている
作物が凶作でも海のもの、海が不漁でも山のものを食べて飢えをしのげは、
東北はここまでの状況になっただろうか
そしてその教えをまもる気質もまた、関係しているのではないだろうか
気質、というものは土地がつくる
自分は、この気質をつくったのは江戸幕府の260年間の統治だと思っていて
とどのつまり、関ヶ原に起因すると考えている
あの東西に分かれて戦った天下分け目の戦争が重要な転機であった
勝ったものは支配し、負けたものは追われ服従する
それが260年間続いていったわけだ
東北の藩の藩主がほとんど外様であったことが、本来の土地に生きるものの気質を奪っていった原因ではないかと

外様との関係が影響した事柄、土地としては高知(土佐藩)が有名であるが、
土佐の場合は長宗我部の士たちが外様の山内家に虐げられたことがまた、明治維新の原動力ともなっていた
外様の山内の系譜は上士と呼ばれ、長宗我部の系譜の子孫は郷士と呼ばれて激しく差別される
反骨精神を育てたのは長い期間の圧政と、長宗我部としての誇り

話を戻して、
そのように、江戸時代に培われた各藩の力関係、影響による東北の気質というか
死ぬか死なないかという局面になれば、2つ足(つまり鳥)も4つ足(鹿とか馬とか)も
なんでも食って生きればいい、と思うのだが、
おしら様信仰と圧政により培われた気質が邪魔して、こういう考えになりづらかったんじゃないだろうか
生真面目に戒律を守って、年寄りを山にすて、捨てられる年よりもそれを受け入れる
アイヌのように、神とするもの(動物)も食って自分にとりいれるという思想でもない
もちろんこの神(おしら様)は、政治的な側面で利用されていた部分も少なからずあると思う
貧しさ、格差、差別の中で生まれる不満をどう収めるか、それは戒律を守ることに誇りを持たせることだ
そのために利用されていた面があったとしても、実際おしえをまもって多くの人間が死んでいった
特に東北の飢饉の状況が劣悪だった要因のひとつに宗教観ははずせないと考える


この時代には周りに固められる思想があったということ
こういった思想、ある意味洗脳が、この映画デンデラでも基盤にある
山送りにされた老女の中にも、
このまま即身仏になっていれば極楽浄土にいけたのに…なぜ助けたんだ!
と衝突する場面がある
助けられること、生きおおせることが恥だ、と教え込まれた思想

これだけだと成す術のない者たちの哀しいやるせない話なんですが…

そっからがこの映画は違う
なんちゅーかもう
ジャパニーズ高齢アマゾネスですよ

くまとも戦う女の園
村の洗脳から解けたこの集団はどんどんパワフルになっている
働けないからと捨てられたはずなのに?
どこよりも戦闘力高いんじゃねーか
世俗的な迷いがないその戦法
覚悟はしても少しは躊躇するだろうよ
それがない、まったく
一度死んだと思った身だからか
それにしても、こころ最強軍団、折れない折れない
この折れなさはなんだ
なんだこの闘志
エクスペンダブルズよりみなぎる闘志
わたしはつい、すげー!と声をもらしていた
変に気分が高揚して
老婆軍団はやる
こんなにヤルとは聞いてなかったよ聞いてないよー



デンデラを観ながらふと思い出した
数年前に、クリント・イースト・ウッド監督が「グラン・トリノ」「チェンジリング」を
同じ時期に発表していた
同じ人が撮った作品の中に、ある共通のテーマがあるように感じた
それは性差
男が主人公の物語は死んでカタをつけ、
女が主人公の物語は苦しさに順応して生き続ける

女というのはどこまでもどこまでも
強く生きる種なのかもしれない


とにかく、デンデラ
思ったより明るいといったらいいのか逞しいといったらいいか
生きる
どう死ぬかじゃなく
どう生きるか

楽観しない絶望的状況からの底力
エネルギッシュな作品だった
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COMMENT

エナジーv

それが可憐な乙女のエナジーe-266
あれ?ポリシー
デンデラってどんな意味なのかなぁ。。
とっとっと

| けぃこ | 2012/04/22 21:40 | URL | >> EDIT

とっとっと?。

こんにちは♪。
里依紗ちゃんのCM可愛いですよね(^^)。
姥捨山、ずっと昔は本当にあったようです。
母から聞いた話では、その場所まで一度運ぶには運んで
そこからどうするかはその家次第の判断だったようで、
連れて帰って一緒に住んでいても大丈夫な事も。
それまで自分を支えてくれた人達を、老いたから食い扶持減らしなんて、とてもできないですが、生活していくためにはやむを得ない事情もあったのかもしれません。

グラン・トリノは切なかったです。
男の生き様!とかっこよく思える一方で、何も死ななくてもいいのに…って。
生きていればきっと何か道が開ける。と思いますもん。

村への復讐は賛同できないですが、おばば達の「生きることへの執着や力強さ」は今の社会にも必須かと。
この世に生まれるって事自体、凄いことなんですもの~。
大切にして欲しいです「命」を。

| みぃみ | 2012/04/25 10:47 | URL | >> EDIT

けいこちゃん

> それが可憐な乙女のエナジーe-266
> あれ?ポリシー

それどこのセーラームーン


> デンデラってどんな意味なのかなぁ。。
> とっとっと

いろいろ諸説あるようだ
デンデラ野からきてるとか蓮台野からだとか関係ないとか
とにかく、この映画の中では、捨てられた老婆たちが立ち上げたコミュニティで、
決めるときには「デンデラ~!」と叫ぶものだなのだ
そういうものなのだ

| おくやぷ | 2012/04/25 21:53 | URL | >> EDIT

みぃみさん

みぃみさん、こんにちは^^

> 里依紗ちゃんのCM可愛いですよね(^^)。

長崎に伝わる数え唄なんでしょうかね~
このデンデラとは遠いところにいる


> 姥捨山、ずっと昔は本当にあったようです。
> 母から聞いた話では、その場所まで一度運ぶには運んで
> そこからどうするかはその家次第の判断だったようで、
> 連れて帰って一緒に住んでいても大丈夫な事も。
> それまで自分を支えてくれた人達を、老いたから食い扶持減らしなんて、とてもできないですが、生活していくためにはやむを得ない事情もあったのかもしれません。

戦後以降も生まれた子供をまびきしたり、
女の子は売られたりってこともあったからですね、
いまある程度平和である程度生活水準が平均している日本に住んでいると
そのときの苦渋の決断と諦念をこの立場から批判できないですね
日本は世界に稀な総中流を示すジニ係数ですが、最近は格差が出てきているといっても
やはり平和が長かった世界の価値観には拠っていると思いますから、いやよっていた


> グラン・トリノは切なかったです。
> 男の生き様!とかっこよく思える一方で、何も死ななくてもいいのに…って。
> 生きていればきっと何か道が開ける。と思いますもん。

そうなんですね、かっこいい
かっこいいし、観た後は雨上がりに虹をみたような気持ちになった
けれどあの最期を選ぶのは男だからなのかな、と
あまり根拠もなくぼんやり思ったのでした


> 村への復讐は賛同できないですが、おばば達の「生きることへの執着や力強さ」は今の社会にも必須かと。
> この世に生まれるって事自体、凄いことなんですもの~。
> 大切にして欲しいです「命」を。

これは上記で書いた平和な中で培われた価値観をぶち壊すと言うか
いま変わってきている情勢を打破せよ生きよと言われている感じもしました
なんて大上段に言ってみましたが、
単純にすげーばあさま達だな…!ってのが一番ですねあはは

| おくやぷ | 2012/04/25 22:15 | URL | >> EDIT

関係があるようでない事を書くと、足の話でスフィンクスのなぞなぞを思い出しました。最初は4本足、次は2本足、最後は3本足なーんだ、って奴。答は人間。
3本足だったら食べていいって宗教だったら、果てしなくダークです。まあ、展開は近いんですが。

| ふじき78 | 2012/04/26 00:01 | URL | >> EDIT

ふじき78 さん

こんにちは^^

> 関係があるようでない事を書くと、足の話でスフィンクスのなぞなぞを思い出しました。最初は4本足、次は2本足、最後は3本足なーんだ、って奴。答は人間。
> 3本足だったら食べていいって宗教だったら、果てしなくダークです。まあ、展開は近いんですが。

ないようでありますね
2つ足、4つ足を食すことを禁じられていた地域の史料で、
だから3つ足なら食べてもいい(いいとは言われてないが、禁じるとされてないので)
死んだ人間の肉をもらいにいったという話もあったのです
信憑性はあるように思いました
当時の倫理がどのようなものなのか…
人食が推奨されてはいなかったと思うのですが、それでも2つ足、4つ足を食べるよりは3つ足なら…と思ったということは
それほどに信仰に強大な力があったということを示していると思います


わたしはその問いかけを昔きいたときに3本の内訳を間違って想像してました
展開も近くアマゾネスの復讐と考えるともっと近い←間違ってる想像のままで
これも関係ないのですが前田吟は最後にクマにやられるためだけに出てきたのですね

| おくやぷ | 2012/04/26 08:13 | URL | >> EDIT















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デンデラ

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| 2ちゃんねる映画ブログ | 2012/05/26 19:39 |

デンデラ

試写会で観ました。姥捨て山に捨てられたお婆様方が、力を合わせて生き延びて、村に復

| うろうろ日記 | 2012/04/26 21:16 |

『デンデラ』を丸の内TOEI②で観て、「デンデラ」って「デラベッピン」みたいなもんかと無駄ボケする男ふじき☆☆☆

五つ星評価で【☆☆☆今迄見た事がない映画である事は確かだ】 婆あアクション 実は前提作の『楢山節考』は未見だが、 どう考えても、こんなに自由なアクション映画ではないだ ...

| ふじき78の死屍累々映画日記 | 2012/04/26 00:03 |

[必見! 映画『デンデラ』を観た(超短信でスマン)]

☆これは、もはや、その設定で勝利したようなものだ。  寒村で姥捨が行なわれていた時代・・・、姥捨山の裏山では、捨てられた老女どもが生き永らえ、生活共同体<デンデレ>を形

| 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭 | 2012/04/25 22:24 |

映画:「デンデラ」♪。

平成23年6月29日(水)。 映画:「デンデラ」。 【監督・脚本】天願大介 【原   作】佐藤友哉 【 キャスト 】        浅丘ルリ子・倍賞美津子・山本陽子・草笛光

| ☆みぃみの日々徒然日記☆ | 2012/04/25 09:22 |

『デンデラ』

----あれっ。この映画、 確か、観ないとか言っていなかったっけ? 「うん。最初はとても観る気が起こらなくって…。 だって、これって姥捨伝説が基になっている話じゃない。 確かに、

| ラムの大通り | 2012/04/24 23:32 |

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